2013年12月19日木曜日

お正月料理ワークショップ

黒豆煮、田作り、かずのこ、伊達巻き、栗きんとん、昆布巻き……。

定番のおせち料理も欠かせないけれど、ちょっと変わり種をプラスしたり、地方のおせち料理を取り入れてみたりするのも、マンネリ打破で、変化があっていいと思います。

昨日のお正月料理のワークショップでは、定番ネタに加えて、そんな変化球を作ってみました。お正月だけでなく、普段のおもてなしにもなるような一品です。

お正月料理ってほんとに美しい!
盛りつけにもお正月らしさをプラス。

この日作ったメニューは
・変わりなます(ふだんのごはんのおかずにもなると、大好評!)
・菊花かぶ(上手に切れるようになるには修行が必要です)
・豆腐の松風(種実たっぷりでお肉より濃厚! 庭の松葉でお正月らしさアップ)
・百合根饅頭(ほくほくした百合根がたまりません。山で摘んだせりを飾って)
・柚庵焼き(本日は地元産のいなだで。いろんな魚に合いますね)
・金時人参ごはん(鮮やかな赤が祝いの食事にぴったり)
・祝い汁(ねじり梅と松葉ゆずの飾り切りでお正月らしさを)
・芋きんとん(安納芋の濃厚な甘さは、栗いらず。クコの赤が効いてます)

品数も多いけれど、一つ一つ手が込んでいるから、いつもの薬膳教室より1時間半ぐらい時間がかかっちゃいました。
かぶを菊花に見立てて切ったり、にんじんを梅に見立てた「ねじり梅」を作ったり(抜き型は使いません)、ゆずの皮を松葉に見立てて刻んだり……。
お正月らしく飾り切りを取り入れたり、百合根や安納芋を裏ごししたりと、丁寧な仕事が必要になるから、どうしても時間がかかっちゃうんですよね。
でも、みんなすごい集中力! 手も口もほぼノンストップで、作り続けましたね〜。

最後は一人一人お重に盛りつけていただきました。
松葉や椿の花、もみじ、万両など、庭に生えている草木を使って自由に飾りつけしていただいたのですが、みなさんそれぞれの好みやセンスが光って、仕上がりを見比べるのも楽しかったです(みんなの盛りつけ、写真撮ればよかった!)。

出来上がったお重を眺めて、思わず「はぁ〜、これ自分で作ったんだよね〜。すご〜い」と歓声があがるほどのできばえ。
ほんと、大変だったけど達成感、ありましたね。
お疲れさまでした〜。

2013年12月14日土曜日

和の薬膳忘年会

昨日は「和の薬膳教室」合同の忘年会を開催。

一人一品持ち寄りでお願いしたところ、写真のようななんとも豪華な料理が並びました!



料理名をざっと書き出してみると、

・手打ちそば(絶品! 年越し蕎麦もみんなでお願いしちゃいました!)

・自ビール(味が濃い〜の。市販のビールが飲めなくなります)

・ひじきとひよこ豆のマリネサラダ(見た目も味もおっされ〜なカフェのようなセンスの良さ!)

・納豆春菊エスニックまぜまぜ(炒めたカレー風味の納豆って新しい! ごはんがススムくんでした)

・かぼちゃのサラダ(入れすぎたという粒マスタードがきいていて、うまうまでした!)

・鴨の天つゆ漬けゆずこしょう(柚子胡椒との相性抜群で、いいお味でした。そばにのっけたりもして。なんて贅沢なの!)

・あずきかぼちゃ(この時期外せない一品。いくらでも食べられるから不思議)

・実家の元気野菜のくずとじ(卵とじならぬ葛とじかぁ。後を引くお味でした)

・ガーナのピーナッツスープ(ごはんにかけてシチューのように食べてもおいしかったぁ)

・白菜の甘みそ煮(麦味噌でまるでシチューのような濃厚な味わい)

・大根のコロコロ炒めイタリア風(小さめのコロコロ角切りで味がよく回ってました!)

・さつまいもと柿の白和え(ピーナッツバター入りで、甘味とうま味たっぷり!)

・すんき漬け(塩を使わずに乳酸発酵させた漬け物。炒めてもおいしそう)

・赤かぶの甘酢漬け(食卓が華やかになる色合いです)

・自家製ゆずピールといちじくのケーキ(さっすがのおいしさ。卵乳製品不使用なのが嬉しぃ)

・金柑の甘露煮(とっても美しい仕上がりでした)

・かぶら寿司(自作。まだ漬かりが早いのだけど、味わっていただきたくてお出ししちゃいました!)

・根菜の粕汁(自作)

・我が家の畑の大根菜めし(自作)


いや〜、思い出すだけで唾が出ます。
ほんとにいろんな種類のお料理をお腹いっぱいよく食べました。

お料理紹介をしながらの自己紹介タイムもにぎやかで楽しかったです。
みなさん、いろいろな趣味や仕事の方がいて、とっても魅力的で個性的なので、
いつかつながりあえたらいいなぁと常々思っていたので、実現してよかったです。

そしてお腹が落ち着いたところで、和綿作りをしているSさんの指導で糸つむぎも体験。

酔っぱらいながら糸をつむぐ作業は、瞑想状態に誘います〜。

最後は「五味五性」クイズ。
1位から3位には、ささやかなプレゼントもご用意させていただきました(ほんとささやかですが)。

ご参加くださったみなさま、おいしくて楽しいひとときを、どうもありがとうございました。
そして当日来られなかった方々も、このブログを読んで、ちょっぴりでも参加した気持ちになってもらえたらいいなぁと思います。

2013年12月2日月曜日

干し柿をわらに包む

白く粉をふいた干し柿。

この粉はぐんと気温が下がらないと表れないそうで、暖かい南関東ではいくら干していてもなかなか粉がふかない。

冷蔵庫に入れてもできるらしいけれど、それではなんだか風情がない。

そしたら渋柿を譲ってくれたお隣さんが教えてくれた。

「昔はある程度柿を干したら、稲藁に3週間ほど包んでおいたものです。そうすると、白く粉をふきましたよ」とのこと。

いいこと聞きました!

ちょうどこの日は、近くの里山の田んぼの稲で、縄を綯って、しめ縄やお正月飾りを作るワークショップに参加していたのです。

余った稲藁をわけてもらい、さっそく柿をくるみましたよ。

さぁ、3週間にどうなっているか。楽しみ〜!

稲藁を敷いて柿を並べ、その上からさらにわらで覆います。



2013年12月1日日曜日

干し芋

先日、茅ヶ崎の無農薬農家yum-yum-veggie(ヤムヤムベジ)さんの芋堀りに参加しました。

大量に収穫したさつまいもは干し芋に。

子どものおやつにも、犬のおやつにも最適です。
干したそばから手が伸びてなくなっていきます。



2013年11月28日木曜日

ヨガ薬膳

昨日は2回目のママヨガ&薬膳のコラボイベントでした。
(写真を撮り忘れてしまいました〜)

ヨガの先生はママ美ヨガを主催されている吉田雅南子さん。
とっても気さくな美人ママです。

なんと告知して翌日にはほぼ満席という人気企画のようで、私のほうではまったく告知する間もなく……。

でも、すでに次のイベントの日程も決まりました!
来年2月12日(水)です。
あっという間に埋まってしまうようなので、お早めにお申し込みください。
(申し込みの受付開始時期は、吉田さんのブログでお知らせします)

小さなお子さま連れでも、見てくれる人がいるからほんとにらくちんです。

この日も1時間ほどヨガをして、和の薬膳のお話をちょこっとして、みんなで配膳してお膳でいただきました。
食事の合間には、離乳食やアレルギーなどのお話も。

そして最後にはnagomiさんのアラジンパンツなどの販売会も。
こちらも大人気で、会場が熱気であふれていましたよ。

にぎやかで楽しい時間をありがとうございました!

2013年11月20日水曜日

11月の和の薬膳・応用編

11月の「和の薬膳・応用編 二十四節気の食養生」のテーマは、
「冬の寒さに備え冷えやウイルスに負けない体を作る」でした。




今月は、気を補い、腎を強化し、体を温める食材がいっぱい。
メニューは、
・かぶの柚香和え
・大根ステーキそばの実あん
・山芋の包み挙げ
・里芋まいたけごはん
・利休汁
・焼き芋のなめらかプリン


かぶは皮ごと、かぶの葉も使って一物全体をいただきます。
大根ステーキだけでも絶品ですが、香ばしいそばの実がかかってボリュム満点。




















おろした山芋を衣にして具を包んで挙げます。うまみたっぷり、かりっふわっで大好評!
止まらなくなるおいしさで、6合のごはんを7人でぺろり。


野菜だけでも食べごたえ十分。
秋の食材はほんとに滋味深い味わいがして、じんわり体に沁み入ります。
今月もありがとうございました。

2013年11月15日金曜日

ラジオ出演

湘南ビーチFMの「わくわくしあわせごはん」に出演しました。

「和の薬膳」とはなんぞやということを、旬の食材の例を挙げながら簡単にご紹介したり、和食離れが進んでいるけれども、本当は和食って簡単なんだよ、というようなお話をさせていただきました。

パーソナリティの森川いつみさんのブログで、少しご紹介いただいています。


ほんと、和食って素材を生かす料理だから、味付けも調理法もシンプルなんですよね。
だからこそ旬の素材のおいしさを存分に感じ取ることができる。

五味に旨味を加えて六味を感じ取れるのは、世界中で日本人だけといわれるのも、それだけ豊かな食材に恵まれ、その素材を生かす和食の調理法があったからこそ。

○○ソースとかドレッシングとかの調味料の味になってしまったら、いつ何を食べても同じになってしまう。

それってもったいないし、命を差し出してくれている野菜や魚や食材たちに、申しわけない気がする。

日本人の豊かな感性や繊細な味覚も、このままでは失われていってしまうのではないか、と、外食で調味料の味しかしないごはんを口にするたびに思います……。

ときどき、野菜を蒸しただけで塩もつけず、もちろんドレッシングやソースやディップも使わず、野菜そのままの味を味わうと、あぁ野菜ってこんなにおいしいのか、こんなに味があるのかと感じ取れていいですよ。

そうそう、離乳食も蒸しただけの野菜で十分。
子どもには素材そのものの味をちゃんと覚えて、味覚を研ぎすませてほしいと思います。
そうすれば、大きくなって多少ジャンクなフードを口にしても、ちゃんと基本のまっとうな食に戻ると思うから。

お母さんが子どもにしてあげられることっていろいろあるけれど、
毎日の食事で、病気にかからない、多少のことではビクともしない、心身ともに丈夫な体を作ってあげることが、とっても大事だと思うんです。
単なる体の成長のためとか栄養補給のためではなくて。
ビクつかない体の芯みたいなものを作ること。
そういう体があれば、病気なんかに振り回されたり、足を引っ張られたりすることなく、自分のやりたいことを、思う存分楽しめる人生を送ることができると思うから。
まずは幼少期にその体の土台を作ってあげることが、ごはんを作るお母さんの役割なのだと思います。
なんだか話が広がりすぎましたね。

11月の和の薬膳・基礎編

11月の「和の薬膳・基礎編」のテーマは、「冬を乗り切る食養生」。


日に日に秋の深まりを感じるこの時期は、朝晩の急激な冷え込みと乾燥で、風邪をひいたり、気管支が炎症を起こしたり、腰や関節などが痛みやすくなります。
本格的な冬が始まる前に、“気”を補い、腎を強化し、体の内側から温めておくことが大切です。

ぎんなん、百合根、かぶ、里芋、山芋、むかご、さつまいも、くるみなど、この季節の旬の素材には、肺を潤したり体液を補うもの(潤肺・生津、滋陰)“気”を補うもの(補気・温陽)、腎を活性化するもの(補腎)、体を温めるもの(温陽)などが多く見られます。こうした食材を積極的に取り入れて、冬の寒さに備え、風邪をひかない体を作っておきましょう。

今月のメニューは、
・三菜びたし
・里芋の白味噌煮ゆず風味
・かわはぎのかぶら蒸し
・むかごごはん
・利休汁
・焼き芋ようかん

おひたしも数種類を加えると、味にも食感にも奥行きが生まれます。
とろっとクリーミーな食感がたまりません!


カワハギは相模湾の名物。この時期は肝が太って脂ののりも最高!
カワハギのあらで取っただしであんを作ります。
いつものようにかまどで炊き上げます。蓋をとった瞬間の香りがたまりません!
練りゴマと炒りごま炒りのリッチな味わい。一口すすって「う〜〜〜ん、おいしい〜」という声が思わず漏れます。


今月も大満足でした!ありがとうございました。

2013年10月26日土曜日

干し柿

今年も干し柿作りました。

今年の柿はお隣の庭になっていたもの。
昨年は不作だったのですが、今年はたわわに実っていたので、一緒に穫ってゆずっていただきました。

秋の風物詩。美しい光景です。

深い軒先があるって便利だな〜と、改めて日本家屋の良さをしみじみ感じます。
もう少し寒くなったら、今度はたくあんにするための大根が干される予定。

下は約1ヶ月後の干し柿。
すっかり小さく縮んで干し上がりました。1個、もう1個と手がのびます!
子どものおやつに最適。





2013年10月18日金曜日

10月の和の薬膳・基礎編

今月も3回目の「和の薬膳・基礎編」のクラスが終了しました。

テーマは「秋の乾燥を防ぐうるおい薬膳」。

空気が乾燥する秋は、肺や気管支、のど、鼻などの呼吸器も乾燥しやすくなります。
呼吸器が乾燥すると粘膜が炎症を起こしたり、ウイルスや細菌が繁殖しやすくなり、咳や痰、ぜんそくなどの呼吸器のトラブルが多くなります。

中医学では、肺は大腸と密接な関係があり、さらに肺と大腸の状態を表す窓口となるのが皮膚です。そのため、秋は呼吸器とともに、大腸や肌にもトラブルが起こりやすいのです。

こうした季節のトラブルを防ぐのが、秋の味覚です。
ぎんなん、栗、れんこん、落花生、梨、百合根、柿、かぶなどの秋に実りを迎える種実や根には、肺を潤し、乾燥によるさまざまな症状を治める薬効(潤肺)や、体中の体液を補充する薬効(生津・滋陰)のあるものが多く見られます。
こうした食材を上手に食卓に取り入れて、秋の乾燥から身を守るのがこの時期の食養生法です。

というわけで、今月のメニューは、
・柿としめじのみぞれ和え





・里芋と小松菜のくるみ味噌


・れんこん団子の菊花あん



・生落花生ごはん

・かぶと豆腐のすり流し汁

・いちじくの白味噌コンポート















というメニューでした。
自画自賛ですが、今月もとってもいいバランスの組み合わせ。
おいしくいただきました!
ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。

2013年10月17日木曜日

10月の薬膳・応用編

昨日は「和の薬膳・応用編 二十四節気の食養生」でした。

今月の二十四節気は「寒露」と「霜降」
この時期は、「脾胃の疲れを癒し、秋の乾燥に備える」食養生になります。


毎月、どんなメニューにしようか頭を悩ませ、何度も試作し、教室の前日まで決まらないこともしばしば。ときには当日、急遽変更したりすることも。
基礎編よりも少し凝った料理も作りたいけれど、とはいえ日常生活で取り入れられなければ意味がないし。
このクラスはベジ対応メニューになっているので、野菜だけで食べ応えや見栄えがするようにアレンジしなければならず、それも悩みどころなのですが、でもそれはそれで楽しいし、勉強にもなるわけです。

というわけで、二転三転して決まったメニューがこちら。

・柿と春菊の白酢和え
・柿釜の里芋くるみ味噌
・秋の実のはす蒸し
・むかごごはん
・粟麩の菊花汁
・本格杏仁豆腐

柑橘酢と柿がよく合います。

柿を焼くと、皮まで食べられるんです!
根菜にれんこんのすりおろしをふわりとかけて。れんこんってほんとに旨味が強くておいしいですね。
焼いた粟麩が香ばしい。
一般的には、杏仁霜やアーモンドパウダーを使ったものが多いけれど、これは本物の杏の仁を使った本格的な杏仁豆腐です。牛乳や生クリームは使っていないけれど、杏の香りが際立ってなめらかでほんとに美味です。

一見、手の込んだ料理に見えるけれど、一つ一つは見た目以上に手軽にできるものばかりです。
胃腸にやさしく、乾燥をうるおす献立でした。

2013年10月16日水曜日

3刷になりました!

2011年9月に出版した『体を温め、めぐりをよくする妊娠中のごはん』が、
3刷になりました! やった!

発売から2年、じわじわと着実に売れているようで嬉しいことです。
このままロングセラーになって定着するといいなぁ。

タイトルに「妊娠中」とうたっているので、対象となる人が限られるような感じがしますが、本当は妊娠していない人や妊娠を望んでいる人にもぜひ参考にしていいただきたい内容です。

体を温めて、めぐりをよくする食材ベスト10や、それを使ったさまざまなアレンジ料理が載っているので、老若男女に役立つはず。
料理も簡単でおすすめのものばかりです。

今後も幅広い人に手に取っていただけたらいいなぁ。





2013年10月2日水曜日

ヨガ薬膳

初めての試み“ヨガ+薬膳”のイベントを開催しました。

逗子・葉山で「MAMA美YOGA」を主催する吉田雅南子さんとのコラボレーション企画。

もちろん子どもと一緒の参加もOKです。

なんとキャンセル待ちも出るほどの人気で、大人12名+子ども達たくさん、という何ともにぎやかな集いになりました。

ヨガを1時間ほど楽しんだ後、みんなでごはんを仕上げて(仕込みはやっておいたので、仕上げと盛りつけだけでOKです)、漆のお膳でごはん。
ずらりと並んだお膳はなかなかのものです。

料理は、きのこのみぞれ和え、里芋と青菜のくるみ和え、ぎんなんひりょうず、落花生ごはん、おぼろ豆腐汁、梨の薬膳コンポート。
子ども達は生落花生おにぎりをほおばる。
「こんな器で食べられるなんて幸せ〜」と、普段忙しいママさんたちも、
日常とは少し気分が変わって、ゆったりとリフレッシュできたよう。

また11月末にも開催する予定ですので、どうぞお楽しみに!






2013年9月20日金曜日

9月の和の薬膳・基礎編

9月の薬膳・基礎編3回終了しました。

今月のテーマは「夏から秋への薬膳〜疲れた脾胃を補い秋の乾燥に備える」。


季節の変わり目は、気温や気圧、湿度などの急激な変化で体調を崩しやすく、五臓では脾胃が疲れやすいのが特徴です。
とくに夏の終わりは、冷たい飲食の積み重ねにより、脾胃への負担が大きくなります。

さらに、季節が秋へと進むにつれて空気が乾燥し、暑く乾いた空気を吸い込む肺や鼻、のど、気管支などの呼吸器が乾燥して、これら器官のトラブルが増えていきます。

こうした夏から秋への季節の変わり目にまず摂りたいのは、脾胃を補う旬の甘味の食材。同時に、津液を補う食材(滋陰・生津)や肺を潤す食材(潤肺)も組み合わせて、秋の乾燥に備えます。



メニューは、
・生ゆばのおくらがけ
長芋のねぎ味噌焼き
・秋なすずんだ和え
・新さんまとまいたけの炊き込みごはん
・なめこ汁
梨と白きくらげの薬膳コンポート

さんまは塩焼きだけじゃない!ごはんにしても絶品です。
ずんだ和えの緑がきれい! 
枝豆となすの甘味とうまみがじんわり感じられて、やさしく沁み入るようなお味です。

梨は体を冷やすので、秋はコンポートにして薬味もたっぷりきかせて。汁まで美味!


 呼吸器や肌を潤す“うるうる”食材に、脾胃を補う食材がたっぷり!
 今月もおいしくいただきました。

2013年9月19日木曜日

9月の和の薬膳・応用編

昨日は9月の薬膳・応用編「二十四節気の食養生」でした。
今月の節気は「白露」と「秋分」。

テーマは、「脾胃の疲れを癒し、秋の乾燥に備える」です
基礎編と同じく、脾胃を補う旬の甘味の食材と、津液を補う食材(滋陰・生津)や肺を潤す食材(潤肺)を組み合わせて、移り行く季節に対応しましょう。

今月のメニューは、
・白きくらげとしめじの梨みぞれ和え
・茶筅なすねぎ味噌がけ
・かぼちゃ饅頭
・栗ごはん
・おぼろ豆腐汁
・デザート落花生豆腐 でした。



かぼちゃを裏ごしして饅頭に。中身は季節のものをいろいろと。銀あんをかけていただきます。
なすを焼いて茶筅に見立てて。ねぎ味噌は何にでも合う万能選手。体を冷やすなすにぴったり。
ごま豆腐の落花生バージョン。香りよく甘くておいしい!
梨のみぞれは甘味はほとんど加えなくてOK。酸味はかぼすや夏みかんで。


2013年7月31日水曜日

7月の和の薬膳・基礎編

7月の和の薬膳・基礎編は「酷暑の夏バテ対策」。


五臓では夏は「心」と「脾胃」にもっとも負担のかかる季節です。
汗によって体内の水分が流失し、血液の粘度が高まるため、全身に血液を送り出す心臓はオーバーヒートしやすくなります。

また、暑さを和らげ、不足した水分を補うために、つい冷たいものや水分をとり過ぎてしまいがち。
その結果、冷えを嫌う胃の働きが悪くなり、消化不良や食欲不振などを起こしやすくなります。これがいわゆる夏バテです。

旬の夏野菜は、体の中の余分な熱を冷ます「寒涼性」の食材がほとんどです。
また、汗とともに流失した水分やミネラル、気を補ううえでも最適です。
一年中出回っている茄子やトマトですが、夏こそ存分に取り入れたいものです。


今月のメニューは、
冬瓜の翡翠煮




冬瓜の緑の美しい色合いを生かした煮物です。
冬瓜は熱を冷まし、水分代謝を助ける夏バテ防止に最適な薬効を持った食材です。
また、「一物全体」を体現できる野菜。
皮も種もワタもすべて使い切りたいと思います。

冬瓜のわたと夏野菜の加減酢ジュレ


ワタはこの料理で。加減酢をジュレにするだけで、おもてなしにも使えるおしゃれな一品に。ジュレは一般的にゼラチンで作りますが、私は寒天をゆるめに作って使うようにしています。

なすのごまだれ漬け
応用編でも作ったごまだれ漬けです。

鯵の冷や汁とろろ&麦ごはん
しょうゆ漬けにした鯵の入った特製とろろ。きゅうりや大葉、みょうが、しょうがなどの薬味をたっぷり入れて。
麦ごはんと山芋のコンビは、脾胃を補う夏バテ予防&解消の最強コンビ。

・くずきり




作り立てのくずきりは絶品です!
冷たく冷やして手作りのてんさい蜜をかけて。
くずは体を冷やす性質なので、夏の甘味にぴったりです。


・冬瓜種茶
種は干して炒ってお茶にしました。塩炒りしておつまみとして食べても。


2013年7月25日木曜日

7月の和の薬膳・応用編

7月の和の薬膳・応用編「二十四節気の食養生 小暑・大暑」のテーマは、
心・脾胃を補い、夏バテを防ぐ」でした。


この時期は汗を多くかくため、ミネラルや気が汗とともに流出して、疲れやすく体力を消耗しやすくなります。

同時に、冷たいものや水分の取り過ぎで、消化器系の脾胃の働きが低下し、食欲不振、消化不良、胃もたれなどが起こりやすくなります。これが夏バテです。

また、夏は「心」に負担のかかる季節ともいわれています。汗で体内の水分が流出して、血液の粘度が高まってドロドロと流れにくくなるからです。



この時期の食養生法は、体にこもった熱を冷ましながら脾胃や心を補う食材をとること。また、流出した水分や気を補う食材も積極的にとることをおすすめします。



メニューは、
枝豆の東煮
江戸時代からある料理。いつもの枝豆がひと味違う一品に。
一度食べ始めたら、止まらなくなります!

長芋とおくらのジュレがけ
長芋、おくら、モロヘイヤのとろとろコンビを3層に重ね、ジュレをかけて。体を冷やさないように梅干しをちょんとのせて。よくかき混ぜていただきます。
とろとろねばねば食材は、よく知られる夏バテ解消野菜。脾胃を保護して消化を助けます。

トマトの含め煮ごまだれがけ
トマトと辛味のきいたごまだれがよく合います。大絶賛の一品。

そうめんの焼きみそのっけ
なす、いんげん、ししとう、大葉などの夏野菜をよく炒めて八丁味噌で練り上げたものをそうめんにのせて。ごはんのお共にも。

雑穀と豆の冷製デザート粥(八宝粥)
台湾の八宝粥を日本風にアレンジ。たくさんの雑穀や豆やドライフルーツがあいまって、何ともいえないおいしさ。これまた大絶賛。